マリージャンヌ調香師:シドニ・ランセスール
こんにちは!マリージャンヌのアリスです。
すべての創造物には、その背後にはアーティストが存在します。そのアーティストが有名なこともあれば、影に隠れていることもあります。
香水愛好家の間では別かもしれませんが、香水の背後にいる調香師を知ることは珍しいです。アイデアの発案者が調香師とは限りませんが、そのアイデアに命を吹き込むのは彼らです。
私は、香りの背後にある調香師を知ることで、自分が選ぶ香水への理解が深まると信じています。
そこで、MARIEJEANNEのクリエイションを支える調香師たちを紹介したいと思います。
世界有数の香水デザイナー「シドニ・ランセスール」
シドニはパリで生まれ、香水業界で代々受け継がれている血筋ではないため、調香師になる運命ではなかったように思えます。
しかし、彼女は都会でも田舎でも常に匂いに敏感でした。
「物心ついた頃から、私は常に場所や人、幸せな瞬間を匂いと結びつけていました。」
ロベルテ社での夏季インターンシップで、彼女は自分の真の天職を見つけました。彼女は花や植物、スパイス、樹脂などの天然原料の魅力に魅了され、夢を追い求める決意を固め、ISIPCA(国際香水・化粧品・食品香料学校)で学びました。
2004年にディプロマを取得した後、ミシェル・アルメラックの指導の下、ロベルテ社でキャリアをスタートさせました。パフューマリーの巨匠の指導を受け、エレガントでシンプル、そしてナチュラルな香りを作る技術を磨きました。
「経験とともに、私はしばしば自然の原料からインスピレーションを得ていることに気づきました。」
シドニ・ランセスールは長年にわたり、エレガントで本格的なスタイルを確立し、伝統的な規範にとらわれず、コントラストや意外な組み合わせ、そして多面的な要素を取り入れています。
彼女は短く現代的な配合を好み、結果としてミニマリストでありながらも深い印象を与える香りを作り出しています。
「ロベルテ社は天然製品の世界的リーダーであり、私たちは最高品質の天然原料を自由に使うことができるのは本当に幸運なことです。」
「この仕事の仕方は私の性格に合っています。常に核心に迫ろうとする姿勢です。」
シドニーにとって、すべての原料にはそれぞれの役割があり、香りは感情や記憶を伝えるためのものです。彼女は特に、幼少期を思い出させるパチョリやベチバーのようなウッディノートに惹かれます。
「幼少期の思い出を通じて、私はよくパチョリやベチバーのようなウッディな香りに立ち返ります。湿ってスモーキーなウッディノートは、家族の田舎の家や秋の下草を思い出させるのです。」
また、スパイシーでアンバーな香りも好んでいます。
シドニがMARIEJEANNEのために手掛けた香水には、彼女の好みが反映されています。
「ベチバー サンタル」: シトラスのフレッシュな香りから始まり、ミルキーなサンダルウッド、温かみのあるサイプレス、ベチバーのウッディな香りへと変化します。
ベースには甘美なベンゾインとリッチでアーシーなパチョリが溶け合い、エレガントでありながらモダンな印象を残します。自然の力と洗練された現代性が融合した魅力的な香りです。
「トンカ ラベンダー」: ベルガモットとローズマリーの爽やかな香りから始まり、ラベンダー、セージ、シダーウッドの心地よいハーブの香りへと変わっていきます。
ベースノートにはまろやかなトンカビーンと深みのあるベチバーが加わり、ヘーゼルナッツのグルマンノートと相まって、奥行きのある魅力的な香りを残します。軽やかさと深みが調和した洗練された香りです。
「ジャスミン パチョリ」: グラース産ジャスミンのピュアエッセンスとモダンなパチョリを組み合わせた、エレガントで温かみのあるフレグランスです。
グリーンノートとイチジクの葉がフレッシュさを加え、ジャスミンの輝きが心地よく広がります。アンブレットとパチョリが香りに深みを与え、洗練された魅力を引き立てます。
シドニ・ランセスールは、すべてのブルームの調香師でもあります。
彼女は周囲のあらゆるものからインスピレーションを得ており、自身の経験や出会い、そして情熱も彼女の創作に影響を与えています。
「私の仕事は、環境からインスピレーションを得ています。一杯のワインであったり、展覧会であったり、本の雰囲気であったり……そして、仕事を通じて出会うさまざまな人々。彼らのアプローチや感性、そして私たちの会話が日々のガイドとなっています。」
「自然は私の最初のインスピレーションの源であり続けています。子供時代の嗅覚の記憶に深く根ざしているからです。」
これが、感情や感覚、雰囲気を表現する香りを作る彼女の方法です。
自分を常に刷新し続けるアーティストとして
シドニは、ザディグ&ヴォルテール、レペット、ラリックなどの主流ブランドだけでなく、キリアン・パリやボン・パフューマーといったニッチブランドともコラボレーションを行っています。
キリアンのインセンス・ウード: アラブの伝統に深く根ざしたこのユニセックス香水は、リッチなウードを基調にスパイシーでフローラルなノートをブレンドした魅力的な香り。
サンダルウッド、オークモス、フレンチラブダナムを基調に、カルダモンとピンクペッパーの温かみとローズのロマンティックなタッチが加わっています。
アムアージュのサンシャイン: もう一つのシドニの傑作であるこのオリエンタルフレグランスは、女性のためだけにつくられました。
フローラルノートのユニークなブレンドが、爽やかで活力を与えてくれます。ジャスミンとマグノリアの繊細でありながら持続性のある香りが、この香水に柔らかさと若々しさを与え、一日中続きます。
ラリックのローズロワイヤル1935: 伝統と現代性を融合させた6つの個性的な香りを揃えるLALIQUE NOIR PREMIERコレクションのひとつで、ローズロワイヤル1935は見事なフローラルの香りです。
ウッディでレザーの香りを基調としたこの香水は、官能的でありながら洗練された香りを放ち、時代を超越したエレガントな選択となるでしょう。
今日はここまでです。MARIEJEANNEを支える調香師の一人について、もっと知っていただけたら幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました!
マリージャンヌ 担当:アリス
翻訳協力:松永
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