香りをめぐる冒険〜バニラ編〜(2/2)
こんにちは!マリージャンヌのアリスです。
今回はバニラの香りをめぐる冒険物語のPart2。前編を見逃した方は、ぜひこちらの記事からご覧ください!
天然バニリンも合成バニリンも同じ
バニラの香りは、約100種類の匂い分子から形成されています。
しかし、バニラの香りを特徴づけているのはバニリンと呼ばれる分子であり、バニラをユニークなものにしています。天然のバニリンはプラニフォリア産バニラビーンズから抽出されます。一方、合成バニリン(他の植物に含まれている)は、異なる芳香化合物を組み合わせることによって人工的につくられます。
バニラが植物学者にとって謎が多いものであったように、バニリンも化学者にとっては謎が多い成分でした。
バニリンが比較的純粋な物質として初めて単離されたのは、1858年に乾燥したバニラエキスを蒸発させ、得られた固体を熱水で再結晶させる方法でした。しかし、この工程でも元の果実が必要でした。

1874年、ドイツの化学者によってバニリンの再現方法が発見されました。彼らはコニフェリン(松の樹皮に含まれる植物物質)からバニリンを再現することに成功したのです。この発見は香水産業だけでなく、食品産業にも革命をもたらしました。
その後、バニラの香りを合成する研究は進み、バニリンの2~4倍の芳香力を持つ、まったく人工的な新種の分子、エチルバニリンが誕生しました。天然のバニラのエキスは高価なので、調香師はめったに使いません。合成バニリンは天然バニリンと同じなので、天然でも合成でも香りは遜色ありません。
バニラとは、香水の最も貴重な宝物のひとつ
バニラとその無数の香りのファセットは、たちまち調香師たちを魅了しました。
伝説的なフレグランスである「ジッキー」に初めて合成バニリンを使用したのはゲラン家だったという話があります。ジッキーの香はバニラとラベンダーの香りを組み合わせたフレグランス。それ以来、バニラ(またはバニリン)は偉大な香水に使われ続けています。YSLのブラックオピウム、シャネルのアリュール、ゲランのシャリマー、ティエリーミュグレーのエンジェルなどです。
調香師にとってバニラエキスがそれほど貴重である理由、それはバニラエキスが数え切れないほどのフレグランスに適応し、思いがけない一面を見せてくれるからです。
ミルキー、アーモンド、パウダリー、スモーキー、ウッディ、アニマリック、ラム、タバコなど、数え上げればきりがないほどのノートを香水にもたらすことができます。
バニラは、スパイスと合わせると、温かみのある官能的な香りになります。バニラが最も人を酔わせるのは、このような香りであることが多いです。トム フォードのブラック オーキッドは、バニラを組み合わせたスパイシーな香り。バニラの酔わせるような甘さと、コショウのような香り、サンダルウッド、ベチバー、パチョリのウッディな香りが巧みにブレンドされています。
グルマンノートと組み合わされると、バニラは甘く洗練された香りになります。
ランコムのラヴィエベルでは、バニラがフレグランスの中心にあります。洋ナシとカシスのフルーティーなアコードと組み合わされたバニラは、クリーミーで病みつきになります。グルメなデザートを連想させます。
ウッディ系との相性もよく、ベルベットのようなノートの洗練されたフレグランスを作ることができます。
パチョリ、シダーウッド、サンダルウッドと組み合わせると、香りに豊かさと深みをもたらすベースノートとしてよく使われます。
そして最後に、フローラルなハートの香水では、フレッシュな香りに丸みをもたらします。
その最たる例がゲランのシャリマー。この古典的で時代を超越した香りは、バニラとアイリス、ジャスミンを見事に調和させ、妖艶で官能的な香りを生み出しています。
マリージャンヌのバニラ
マリージァンヌは、バニラにも心身に良い効果があることから、3つのキャンドルのベースノートにバニラを取り入れています:

「マドレーヌ」では、バニラはとてもグルマンです。ベースノートとしては控えめですが、注意深く観察すれば、そのユニークな香りを感じることができます。ウッディノートやフローラルなアクセントと混ざり合い、キャンドルの香りにグルマンで官能的なノートを加えています。
「チュベローズ」のキャンドルでは、バニラはほとんど感じられません。しかし深く感じ取ることができれば、チュベローズとジャスミンのフローラル・ノートの中にバニラが混じっているのがわかるでしょう。ほんのり甘く、イランイランとパウダリーな香りがアクセントになっています。
「ジャスミン グランディフローラム」では、ジャスミンの甘く頭でっかちなノートに寄り添います。ほとんど目立ちません。時間が経つにつれて、ジャスミンの花のパウダリーな側面を際立たせる、温かみのある甘いノートに気づくでしょう。
この3つのキャンドルは、いずれも頭脳的で官能的な香りで、あなたを癒し、安らぎを与え、1日のストレスを和らげ、疲労(肉体的または精神的)を緩和する手助けをしてくれます。
紛れもない魅力を持つ妖艶な香り、バニラについてご紹介させていただきました。
ポピュラーな香りの奥深さと楽しさ、美しさを感じてもらえたら嬉しいです。
長編を最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ファミリー:オリエンタル|アンバー
マリージャンヌ 担当:アリス
翻訳協力:松永
#バニラ #グルマン系 #オリエンタル系の香り #香りのある生活 #香りを楽しむ #香り好き