マリージャンヌの調香師:セルジュ・ド・オリヴェイラ
こんにちは!マリージャンヌのアリスです。
先日の記事では、MARIEJEANNEの「ブリューム」や「MATIÈRES PREMIÈRES」シリーズの他の香水を手掛けた調香師、シドニ・ランスールについてご紹介しました。
今回は、MARIEJEANNEのキャンドル「ミルラ」を創り出した調香師、セルジュ・ド・オリヴェイラをご紹介したいと思います。
(ご興味があれば、ミルラに関する記事もぜひご覧ください!)
自然の香りを探求するアーティザン:セルジュ・ド・オリヴェイラ
セルジュ・ド・オリヴェイラは、自然由来の原料への深い情熱と、真の香りを求め続ける探求心によって、その名を馳せた現代の調香師です。
2002年にIFF(インターナショナル・フレーバー&フレグランス)でアシスタント調香師としてキャリアを開始し、ロベルテ社でさらに才能を磨きました。自然香料に深く魅了され、調香の世界で独自のアプローチを築き上げています。
ド・オリヴェイラがIFFに入社した際、彼はリチャード・イバネス氏のもとで学び、ベチバーやパチョリなどの木質系ノートに魅了されました。この経験が、彼の自然由来の香料へのこだわりを育むきっかけとなり、最終的には自然香料を専門とする調香師へと成長させたのです。ロベルテでのキャリアを通して、自然の複雑さと美しさに触れ、その感性をさらに研ぎ澄ませていきました。


自然香料を用いることの挑戦
セルジュにとって、香りは彼自身の個性の表現であり、すべての作品が彼の感性の一部です。「私は常に新しい香りや独創的な香りを求め続けています」と語るように、彼は自身の経験や自然、日々の生活からインスピレーションを得ています。調香というプロセスは、自然の持つ美しさにより豊かになり、常に新しい発見が生まれる場であると感じているのです。
自然香料を扱うことは、セルジュにとっての大きな挑戦です。合成香料とは異なり、自然香料は変動が多く、取り扱いには適応力と忍耐力が求められます。「自然香料を使う際は、その特有の側面をどう調和させるかを考えます。心地よさや柔らかさ、そして優雅さを表現するために、慎重に調整を重ねます」と彼は語ります。こうした調整はセルジュの技術の核であり、自然香料の複雑さと豊かさを最大限に引き出しながら、唯一無二の体験を提供するための工夫が込められています。
MARIEJEANNEでの作品のひとつ、「ミルラ」キャンドルは、深く官能的で神秘的なミルの香りを引き出しています。神聖な樹脂や古代の儀式にインスパイアされ、瞑想やリラックスのひとときにぴったりな心地よい香りを放ちます。ド・オリヴェイラはこのキャンドルに、樹脂の豊かさと木質のノートを取り入れ、ほのかに香るお香のようなスピリチュアルな雰囲気を作り出しました。空間を包み込み、心を安らかにするこのキャンドルは、インスピレーションと静寂の瞬間を提供します。
その芸術的なアプローチと卓越した技術により、セルジュはAlfa Romeo Perfumes、Bon Parfumeur、Atelier Obliqueなど数々のブランドとコラボレーションを行っています。中でも「903 ベイズ・デュ・ネパール」や「トンカ&アマンド・アブソリュ」など、自然香料を用いた作品は、自然派香水ファンの間で評価が高く、オルメイや100BONといったブランドとも協力しています
セルジュは、合成香料に負けないほどの深みと持続力を追求しつつも、自然の魅力を生かした香りの創造に挑戦し続けています。

自然とともに生きる調香師
セルジュ・ド・オリヴェイラにとって、調香師であることは単なる仕事ではなく、芸術的な使命であり、日々の喜びです。原料の収穫から加工までを見守ることで、自然と向き合い、豊かな創造性を発揮しています。「自然香料の原料を一から扱えるのは特別な経験であり、私の調香師としての仕事に多くのインスピレーションをもたらします」と彼は述べています。
セルジュ・ド・オリヴェイラは、自然と革新、純粋さと大胆さを融合させた新しい世代の調香師を代表する存在です。その香りは、深く純粋な嗅覚体験を通じて、人々を自然との再接続へと導きます。
最後までお読みいただきありがとうございました!
マリージャンヌ 担当:アリス
翻訳協力:松永
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