香りをめぐる冒険〜ローズセンティフォリア編〜
こんにちは!マリージャンヌのアリスです。
グラースの庭園や野原は、一年中花の香りで満たされています。
5月、ローズセンティフォリア(ローズドメイ)は、その絶妙なブーケと比類のない豊かな香りで五感を魅了し、ロマンスと時代を超越したエレガンスの真髄をとらえます。
マリージェンヌの「ローズ シソ」の発売を記念して、
グラースの香水の伝統と職人の卓越性を体現するこの花についてお話したいと思います。
百葉のローズ
ローズセンティフォリアの花は繊細で、淡いピンクから明るいピンクの花びらが密集しており、その数は100枚にもなることから、ラテン語で「百枚の葉」を意味する名前がつきました。
ローズドメイの正確な起源は謎に包まれています。
この独特の芳香を放つ花は、ダマスクローズ、カニナローズ、そして植物学者の間で意見の一致しない謎の第3の品種という、複数のバラの交配から生まれたと考えられています。
香水の原料として最も広く使われるようになる以前から、ローズセンティフォリアはその薬効成分のために長い間栽培されていました。現在でも化粧品に広く使用されています。
ルネッサンス期に香水産業が勃興すると、ローズセンティフォリアはその香りの深みと繊細さから、あらゆるメゾンに珍重されるアイコンとなりました。
グラース地方では16世紀から栽培されています。
毎年収穫の時期には、このローズにちなんでグラースの通りで大きなお祭りが開かれます。
ローズセンティフォリアの象徴的な香り
1921年にCHANELのために作られたN°5は、Ernest Beaux(アーネスト・ボー)がGabrielle Chanel(ガブリエル・シャネル)のために調合した特注のフレグランスです。
彼女は、自分の個性を反映したフレグランスに、最高級の原料を求めていました。
Ernest Beaux(アーネスト・ボー)がローズドメイとジャスミンを中心としたフローラルブーケを調合し、ヘスペリジアのノートで華やかさを添えました。
Jean-Paul Guerlain(ジャンポール・ゲラン)は、60年代のCatherine Deneuve(カトリーヌ・ドヌーヴ)にインスパイアされ、ローズセンティフォリアにピーチ、バニラ、サンダルウッドをブレンドし、リッチでロマンティックなフレグランスを作り上げました。
Guerlainはそれを:Nahema(ナヘマ)と名付けました。
ローズセンティフォリアの繊細な文化
ダマスクローズと共に、ローズセンティフォリアは香水に使用される2つのバラのうちの1つです。
繊細な花であるため、ローズセンティフォリアの栽培は、その香りの品質と純度を保つために細心の注意が必要です。ローズセンティフォリアは5月に3週間だけ年に一度咲きます。
ローズセンティフォリアの収穫は、花びらが精油で満たされ、香りが最高潮に達する夜明けに行われます。花の選別と収穫は、香りと花の完全性を保つために手作業で行われます。各花は慎重に薔薇の茎から取り除かれ、リネンのエプロンに丁寧に置かれます。
その後、花はすぐに工場に運ばれ、そこで精油とアブソリュートの抽出が行われます。ローズセンティフォリアの最も一般的な抽出方法は、揮発性溶剤抽出法です。この方法は、水蒸気蒸留よりも高い収率を提供します。
揮発性溶剤抽出で1kgのアブソリュートを得るには、700kgの花びらが必要です。花びらは圧力釜に何層にも重ねて置かれます。溶剤が圧力釜を通過して、薔薇の花びらから香りの分子をすべて取り込みます。溶剤を蒸発させて、コンクリート(*)と呼ばれる暗いペーストを収集します。アブソリュートを得るために、コンクリートはアルコールで洗浄され、ワックスを取り除いて純化されます。
ローズセンティフォリアの絶妙な香り
ローズセンティフォリアの香りは、様々なバラの中でも最も洗練され、複雑な香りの一つと考えられています。
その香りは、フローラルな新鮮さの爆発であり、スパイシーなタッチとわずかにハーブのようなノートが特徴です。
もちろん、フローラルな香水によく使用されます。ローズセンティフォリアは朝露のように新鮮で、非常にフローラルでわずかにハーブのような香りを持つことができます。または、蜜のような暖かさと少し蝋のようなオリエンタルなノートも持つことができます。
ローズセンティフォリアは、シプレーの香調と見事に調和し、パチョリとのデュオも素晴らしいものになります。
ローズ シソ:文化の相乗効果
日本に情熱を抱くマリージャンヌの創設者、Georges Maubert(ジョルジュ・モーベール)は、2つの文化の相互相乗効果によると愛を象徴する香水を作りたいと考えました。
日本の緑のシソの力強い香りが、グラースのローズの美しさと調和し、完璧な植物のハーモニーを生み出します。ローズ シソは、そのユニークなキャラクターを持つ香水です。
このフレグランスは、シソの活気に満ちたアロマティックさが最初に広がり、
フローラルであり誘惑させるような甘さを持つローズの香りが、時間をかけて最後に登場し、豪華であり贅沢な香りを広げます。
魅力的で、わずかに酸味があり、蝋のような香りも持っています。
アイリスのパウダリーなファセットは、クリーミーなテクスチャーを加え、ローズの花びらのベルベットのような質感も感じられます。 サンダルウッドが香りに温かさと癒しの官能性を吹き込み、そしてローズが、より暖かく、蜂蜜のように香り、妖艶です。
この香水はフローラルの女王、薔薇がもちろん主役を演じます。
5月のグラースのローズの畑を散歩するような体験をお届いたします。
お楽しみいただけると幸いです。
ファミリー:フローラル
(*)香り成分と天然のワックス成分が半固形状になったもの
マリージャンヌ 担当:アリス
翻訳協力:松永
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