香りをめぐる冒険〜サンダルウッド編〜
こんにちは!マリージャンヌのアリスです。
マリージャンヌのグラースの工房では、世界各地から集められた貴重な原料が静かに香りを放っています。その中でも、古くから「香りの王」と呼ばれ、神聖な香りとして愛され続けてきたサンダルウッド(白檀)は、東洋の神秘と西洋の優雅さを融合させる魅力的な香料です。今日は、この神聖で世界で最も高価な木材として知られてるサンダルウッドの世界をご案内いたします。
サンダルウッドの原料:太古の昔から受け継がれてきた貴重な香り
サンダルウッドは、約4000年前のインド、エジプト、ギリシャ、ローマで使用されたという文献が残っており、人類と最も古い関係を築いてきた香料のひとつです。「サンダルウッド」という名称は、サンスクリット語の「チャンドナ(chandana)」に由来し、「感覚を喜ばせる」という意味を持ちます。この語源は、魅惑的で心地よい香りで古くから称賛されてきたサンダルウッドの本質を完璧に反映しており、この「チャンドナ」が英語の「sandalwood」の語源となっています。
インドのマイソール地方で育つサンダルウッドは、焚かずとも神々しい芳香を発し、インドでは古くから宗教儀式に用いられました。その心を落ち着かせる甘く深い香りは、精神を高め、内省へと導く力があると信じられています。仏教やヒンドゥー教においては、瞑想や宗教的な儀式において欠かせない存在となり、サンダルウッドで建てられたお寺も存在します。
サンダルウッドの価値を認識したマイソール王国の国王であるマハラジャは、18世紀末にサンダルウッドを王室の専売品と定め、国家管理のもとで生産・加工を行うための政府工場を設立しました。この管理体制により、マイソール産サンダルウッドはは「白檀(サンダルウッド)の基準」として世界的に名声を博し、20世紀を通じてその地位を維持しました。しかし、地域の貧困や需要の高まりを背景に違法な伐採や密輸が拡大し、その結果、豊富とされていたサンダルウッドの資源は徐々に減少していきました。
2010年、インドでは伐採が原則禁止されました。インド国内でのサンダルウッドの大量消費により資源は極度に枯渇し、政府は現在その生産と輸出を厳格に管理しています。現在ははインド政府によって保護されており、再び入手可能ですが、量は大幅に減少しています。このため、非常に希少で高価な素材となっています。
日本でも奈良時代から白檀(サンダルウッド)として親しまれ、香道の世界ではなくてはならない存在とされています。扇子、仏具、そしてお香として、日本の文化に深く根づいていきました。
サンダルウッドの種類:香りの多様性
現在香水業界で使用されているサンダルウッドには、主に以下の種類があります:
インド産サンダルウッド(Santalum album)
「真のサンダルウッド」とされ、インドのマイソール地方が原産地です。
最も洗練されている香りと評され、香水の世界で最も高く評価されてきました。しかし、前述のようにインドでは現在保護対象となり、採取・輸出は厳しく規制されています。(使用商品:レオン、ロジエ、サンタル)
オーストラリア産サンダルウッド(Santalum spicatum)
現在は、オーストラリア産のサンダルウッドの流通量が増えてきています。インド産とは異なる香調を持ち、よりドライでスモーキーな特徴があります。
ニューカレドニア産サンダルウッド(Santalum austro-caledonicum)
持続性に優れ、ウッディノートの香料の中でも持続性の高い香料の1つとして重宝されています。(使用商品:ベチバー サンタル、イリス パリダ、サンタル、ジャクリーン、ディヴェール、ドレイエ)
これらの産地の違いにより、それぞれ異なる香調の特徴を持ち、調香師は用途に応じて使い分けています。
香料用サンダルウッドの加工・抽出プロセス
サンダルウッドの香料抽出は、時間と忍耐を要するとても繊細な工程です。木は特有の香りを放つよう樹齢30年以上になって初めて、心材部分に豊かな芳香油分を蓄えるようになります。より上質な芳香を得るには80年以上かかるとも言われています。
伐採後、サンダルウッドの原木は水分含有量を可能な限り減らし香りを高めるため乾燥させます。
次に、心材を水蒸気蒸留法で抽出します。水蒸気蒸留法により、心材に蓄積された貴重な芳香成分を丁寧に抽出し、白檀精油を製造します。蒸留のプロセスは非常にデリケートで、温度と時間の管理が香りの品質を左右します。水蒸気蒸留法はじっくり時間をかけて植物本来の力を抽出するとても繊細な方法です。
この方法により、木材が本来持つ香りのプロファイルを余すことなく捉えることができます。時間をかけて丁寧に抽出されることで、植物が備える香りの特性や奥行きが損なわれることなく保たれ、こうして得られた精油は、香料の原料として用いられ、温かみのあるウッディな香りを香調に与えます。
サンダルウッドの香調:温かみのある神秘
サンダルウッドの香りは、複雑かつ深遠な印象を与えています。温かみに満ち、豊かでウッディな芳香は、特有のクリーミーで優しい質感を伴い、その奥行きを特徴づけます。しばしばエキゾチックかつ官能的、そして心安らぐ香りと称され、静寂と深い安らぎの境地へと誘います。
マリージャンヌの最もウッディな調香ベチバー サンタルでは、ニューカレドニア産サンダルウッドがベースノートとして、女性の肌に極めてエレガントな、クリーミーでミルキーな優しさの余韻を残します。(エレガント/モダン)
フローラルノートと調和すると、サンダルウッドは深みと官能性を加えます。イリス パリダでは、ニューカレドニア産サンダルウッドがアイリスのパウダリーな香りを深い温もりで包み込み、ほのかにアニマルなニュアンスを添えることで、官能性を高みへと導きます。(モテる/エレガント)
サンダルウッドはまた、香りの立ち上がりは穏やかながら、驚異的な持続性を発揮する特性を持ちます。最新作オー ピエ ドゥ ロジエでは、ローズセンチフォリアの蜜のような甘い香調を引き立て、長く持続する温かく深みのある余香を紡ぎ出します。
シトラスノートとの組み合わせは清涼感をアクセントに、活気みなぎる調和を生み出します。一方、芳香ハーブとの共演は、心を落ち着け、地に足の着いた安らぎをもたらします。
マリージャンヌは、サンダルウッドのアロマテラピー効果にも着目しています。その深く優しく、心安らぐ香りは、心を鎮め、ストレスを軽減し、深いリラクゼーションをもたらすことで知られています。
キャンドルのサンタルの深く静謐な香りは、忙しい日々の中であっても、くつろぎと自分自身と向き合う貴重な時間を演出するでしょう。
ブリュム ドレイエの清涼感のあるウッディな香りは、忙しい思考を静め、健やかな眠りへと導きます。その温かく、優しい香りは安心感を与え、心を穏やかにするため、空間を清める香りとしても親しまれています。冬には、ブリュム ディヴェールが温もりと清浄な空気をお部屋全体に届けます。
サンダルウッドは、時を超えて人々に愛され続けている香りの至宝です。その温かく包み込むような香りは日々の生活に静寂と品格をもたらし、内面の美しさを静かに引き立てます。ぜひマリージャンヌの香水を通して、この神秘的な香りの世界をお楽しみください。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
ファミリー:ウッディ
マリージャンヌ 担当:アリス
翻訳協力:望月
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